心体のひびき 外から見えない障がいを受容し生きる

澤井繁男

1,400円 +税

ISBN: 978-4-7554-0333-0        2023年06月28日発行

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にんげん万事塞翁が馬 透析・移植の「生き字引」が語る......
障がいを受容(受苦)して我がものとして認識してきた主人公「私」の「実感記録」。透析に至った原因と、移植手術への流れ、私なりの社会活動やイタリアへの旅、今日へとつながる「死生観」と「身体観」、「移植腎の死」から「人工血管」へとつづく生命保持を描いている。そして、医療現場での「接遇」について所見をまとめた異色作。
その生き様を、生命の律動を感得しつつ素描した、生と死の狭間から伝わる心体のひびき。

著者:澤井繁男(さわいしげお)
1954年札幌市生まれ。27歳のときに人工透析の生活に入り、34~44歳は移植腎で過ごすが、再透析に戻る。その後、腹膜透析も失敗、再々透析に。現在、継続中。最終学歴は京都大学文学研究科博士課程満期退学。東京外国語大学論文博士(学術)。作家、イタリアルネサンス文学・文化研究家。『澤井繁男小説・評論集』(平凡社、2022年)、カンパネッラ(訳)『事物の感覚と魔術について』(国書刊行会、2022年)、『魔術師列伝』(平凡社、2023年)、『ルネサンス文化講義』(山川出版社、2023年)、その他著訳書多数。元関西大学文学部教授。放送大学(大阪)非常勤講師。

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心体のひびき 外から見えない障がいを受容し生きる
目次

はじめに

第 I 章 透析から移植へ
1 即日透析
2 〈社会復帰〉
3 もの言わぬ臓器
4 入退院の幼少年期
5 透析の原理
6 移植
7 移植手術

第 II 章 社会復帰
1 バンコクまで  ― イタリア渡航挫折記
2 妻と旅したイタリア、そして異国での透析
3 テレビ出演・講演会
4 微細な事柄について
5 インターフェロン
6 家族とのイタリア・パリへの旅
7 再透析
8 腹膜透析
9 パーキンソン(病)様症状

第 III 章 断章風に、翻ってみて
1 向日的な生 ―
2 生と死の〈会〉
3 臓器移植とアニミズム
4 PTA(閉塞シャントの血栓除去治療)
5 接遇 ―〈いのち〉のおもてなし

おわりに