高度成長の時代 女たちは 1961.1-1964.12 (銃後史ノート戦後篇6)

女たちの現在を問う会・編

1,845円 +税

ISBN: 978-4-7554-0029-2        1992年2月11日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

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銃後史ノート戦後篇⑥ 1961.1〜1963.12
特集・高度成長の時代 女たちは

年表
編集まえがき・政治の季節から経済の季節へ
座談会 高度成長・人づくり政策と女たち——隅谷茂子さんを囲んで  隅谷茂子・太田恭子・加納実紀代・佐藤のり子・山辺恵巳子
農業の曲がり角を支えた女たち——農業基本法がもたらされたもの 山辺恵巳子
オリンピックがやってきた  佐藤のり子
聞き書き・婦人部長の憂うつ 東京都オリンピック対策  元都民生局婦人部長・中野ツヤ
聞き書き・村長さん大忙し! 女子選手村村長・貞閑晴さんに聞く
今すぐ子どもに生ワクを——小児マヒと闘った母親たち  折井美耶子
手記・生ワク反対から保育園づくりへ  山辺カヅエ
高校をもっとふやして  江見じゅんこ
新島・女たちの闘い——ミサイル試射場設置に抗して  太田恭子
コラム ナプキンの登場
「嶋中事件」の残したもの  宇野淑子
学則が憲法に優先するの?——昭和女子大事件をとおして  山本美和
母に聞く・資格はとってみたものの  阿武奈美子
自分史の中の「女子学生亡国論」  加納実紀代
座談会・婦人運動の分裂をめぐって  近藤悠子・斎藤鶴子・隅谷茂子 司会・加納実紀代
コラム 原水禁運動に対する私の見解
コラム 非民主的やり方を見た
コラム 単一の婦人組織の重要性と党の任務
コラム 農業基本法前文
原水禁と母親運動をふり返る  近藤悠子
聞き書き・あくまで一致点をもとめて  間島路子
コラム 総評・社会党はソ連のいいなり
日記 第八回原水禁世界大会前後  斎藤鶴子
広範な婦人団体を目指したが……  原田清子
連載 小田原市職員としてⅤ  市川泰子
連載 何回目かの旅立ち  安藤八千代