死刑の文化を問いなおす (死刑制度と日本社会Ⅱ)

かたつむりの会

1,650円 +税

ISBN: 978-4-7554-0036-0        1994年01月発行

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【美本なし】

1993年3月26日、三年四か月の停止を破り、死刑執行が再開された。一度に三人の大量処刑であった。さらに11月26日、四人が処刑された。なぜ死刑はなくならないのか。死刑から私たちは何を学ぶべきか。死刑のある社会に生きることの意味を問いなおす。

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死刑の文化を問いなおす(死刑制度と日本社会Ⅱ) 目次

ぼくは正義がキライだ  森毅
 1、話はネタが四割、ノリが六割
 2、死刑反対は正義のゆえでない
 3、殺人の距離
 4、殺したければ自分の手で
 5、死者にヒーローはない
 6、だれでも殺人者になれる
 7、やっぱり雑談で終わろう

死刑がなくなればこの世は闇だ  吉田智弥
 1、死刑存置の理論
 2、死刑を求める市民感情
 3、異分子を排除する制度
 4、日常的な抑圧の構造
 5、体制批判文化の衰弱
 6、排除する側の論理
 7、互いに癒しあう関係を

安心の危険より“不安の安全“  なだいなだ
 1、閉鎖病棟でアル中患者は治せるか
 2、法で犯罪を抑止できるか

中国の死刑  新島淳良
 1、はじめに 古代からの連続
 2、唐の刑法
 3、祖先崇拝という宗教、五服の制度
 4、「孝」から「凌遅」が生まれる
 5、類推——君主と教師
 6、主観主義と客観主義
 7、現代中国の法の性格
 8、現行刑法の検討
 9、情状酌量の実例
 10、何人死刑になったかわからない
 11、現代中国の身分制
 12、一級市民と二級市民
 13、結びにかえて——人権の問題

死刑台から見えた二つの国  内海愛子
 1、侵略戦争と戦争裁判
 2、「私は貝になりたい」——BC級戦犯と死刑
 3、死の泰緬鉄道建設
 4、BC級戦犯からなにを学ぶのか
 5、「認罪」ということ
 6、戦争責任と戦後補償

後記にかえて  木下達雄