まつろわぬ者たちの祭り 日本型祝賀資本主義批判

鵜飼哲

2,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0303-3        2020年04月05日発行

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私たちは「未来の残酷さ」のただなかにいる。
地震、津波、原発事故の三重の打撃によって政治的、社会的な未曾有の危機に陥った日本資本主義が、スポーツ・ナショナリズムの鞭を全力で振るって、なりふり構わず正面突破を図ろうとしている。
天皇代替わり、そして2020 東京オリンピック・パラリンピック――
いま、国民国家主義とグローバル資本主義を媒介する巨大スペクタクルに呑み込まれないために。

目 次

序文に代えて  「東京へゆくな」二〇二〇  5 

第1章 災厄のポリティクス

〈反詩〉の果て?  ──原発震災下で黒田喜夫を読み直す 10
〈過ぎ去らない現在〉から〈はじまり〉へ 24
符牒とタブーに抗して  ──アナクロニー・過誤・不可能な正義 51
〈フクシマ〉以後に〈ヒロシマ〉を(再)発見すること 76


第2章 境界から歴史をみつめ直す

ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路 94
フランスの原発政策と対抗運動の思想史粗描 114
国境を超える歴史認識を求めて 139
歴史と経済のはざまで  ──二一世紀の東アジアにおける〈羞恥〉の分/有 158
境界から歴史をみつめ返す  ──越田清和さんの〈時代〉  177


第3章
日本型祝賀資本主義批判──天皇代替わりとオリンピック・パラリンピック

イメージとフレーム 186
オリンピック・ファシズムを迎え撃つために──利権まみれの「聖火」を拒否する! 207
「メッセージ」以後 ──天皇(制)による新たな国民統合に抗して 234
「民族の祭典」と「資本の祭典」 241
民主主義と天皇制、そしてオリンピック 248

ともに考えること、闘うこと あとがきに代えて 279