もはや戦後ではない? 1956.1-1958.12 (銃後史ノート戦後篇4)

女たちの現在を問う会・編

1,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0013-1        1988年12月8日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

 ***

銃後史ノート戦後篇④ 1956.1〜1958.12
特集・もはや戦後ではない?

座談会・「もはや戦後ではない」をめぐって  鷲尾千菊・板垣まさる・関千枝子
 「アンケート」の中から
手記・踏み出した一歩——草の実との出会い  宮下喜代
手記・甑島の助産婦として生きる  東海林とし
手記・変らないもの、変りゆくもの  酒井清子
手記・テレビとともに  長谷川喜久代
嵐の中の「民主教育」  小園優子
座談会・勤評を闘って  戸石あや子・大竹一燈子・細井万紀・影山澄江・北村小夜・棚沢淳子
手記・一九五八年大分——私記  古庄ゆき子
手記・勤評ははしか  松野尾竹子
手記・家庭科教育とわたし  半田たつ子
赤線の灯が消えた——売春防止法の成立  佐藤まや
手記・売春防止法と赤線の女たち  石井雪枝
手記・市議となって奮闘  飯田しづえ
手記・売春の背後にあるもの  金川文子
原子力の「平和利用」は未来を拓く?  福嶋広美
手記・憧れの原子力研究所  大出実代子
心に杭は打たれない——砂川闘争の中の女たち  山辺恵巳子
ジラード事件が残したもの  成宮美保子
島ぐるみ闘争・沖縄  佐藤のり子
手記・沖縄「原住民」発言についての悔恨  西原若菜
日ソ国交回復とサハリン残留朝鮮人  宇野淑子
小松川事件から三〇年  李舜喜
手記・私の戦後史  寿岳章子
手記・母親大会から警職法反対闘争へ  山下正子
連載・小田原市職員としてⅢ——競輪場勤務の日々  市川泰子
連載・最高裁判所臨時職員から書記官へ  安藤八千代
 年表・1956.1〜1958.12 
 資料・第一回部落解放婦人大会宣言
 資料・勤務評定について、父母のみなさんへ!
 資料・婦人団体、沖縄のために動く
 資料・第二回母親大会宣言
 百里が原の平和を守ろうとした女町長
 原水禁運動と原子力“平和利用”
 緊急声明・「昭和」の終わりにあたって